第二チャクラと自己価値

コラム

第二チャクラについて考えるとき、性や生殖、お金、人間関係、創造性といったテーマがそれぞれ別々に存在しているように説明されることがあります。しかし、そのすべてをもう少し深いところまで辿っていくと、一つの共通した問題に行き着きます。それが、「自分にはどれほどの価値があるのか」という自己価値の感覚です。

自分には大切にされる価値があるのか。愛される価値があるのか。自分の仕事に対して十分な対価を受け取る価値があるのか。嫌なことを拒否してよいのか。助けてもらってよいのか。安心できる環境で暮らしてよいのか。そして、自分の身体を自分自身のものとして尊重してよいのか。

こうした問いは、一見するとお金、恋愛、仕事、性、身体という別々の問題に見えますが、その根底には、自分自身をどの程度価値のある存在として認識しているかという共通した基準があります。

自己価値が傷つくということは、単に自信を失うことではありません。より深刻なのは、自分が受け取ってよいものの基準そのものが下がってしまうことです。

不当に低い報酬を受け入れ、自分を粗末に扱う人間関係に留まり、嫌われることを恐れて境界線を曖昧にし、必要な助けがあっても人に頼ることを申し訳なく感じるようになります。自分よりも相手の欲求を優先することが日常になれば、それが不自然な状態であることさえ分からなくなっていきます。「自分はこの程度の扱いを受ける人間なのだ」という認識が、その人にとっての現実になってしまうからです。

刑務所の女性たちと接したときにも、この問題は非常に鮮明に現れていました。そこに至った事情は当然、一人ひとり異なります。しかし、貧困、暴力、搾取的な関係、家族との問題、社会から貼られたラベル、過去の経験などが何層にも重なり、自分自身の本来の価値を正しく認識できなくなっている女性たちが非常に多い事も事実です。ここで区別しなければならないのは、その人の価値そのものが失われたわけではないということです。

失われているのは価値ではなく、自分の価値を正しく認識する感覚です。この違いは非常に重要です。

第二チャクラが古くからお金、人間関係、性、快楽、創造性などと結びつけられてきたことも、この「自己価値」という視点から見ると非常に理解しやすくなります。お金とは単なる数字ではなく、自分の労働や能力にどれだけの価値を認められるかという問題でもあります。人間関係は、自分がどのように扱われることを許容するのかという問題です。性は、自分の身体を誰のために、どのような意思で扱うのかという問題でもあります。そして豊かさとは、単に多くを所有することではなく、愛情、支援、対価、休息、機会、喜びといったものを「自分も受け取ってよい」と認識できることと深く関わっています。

女性の身体を長く施術していると、この問題が単なる思想では終わらない場面にも何度も遭遇します。骨盤や腹部、子宮・卵巣周辺に強い緊張や制限、痛み、癒着などの問題を抱えて施術を受けに来る女性たちの中には、同時に非常に大きな経済的不安や人間関係の問題を抱えている方も少なくありません。そして興味深いのは、身体へのトリートメントを継続する中で、身体症状だけではなく、その女性の現実の選択まで変わっていくケースが実際にあることです。

もちろん、骨盤への施術によって経済問題が解決した、あるいは第二チャクラへのトリートメントによって収入が増えた、という単純な因果関係を医学的に主張することはできません。
しかし臨床の現場では、身体の状態が変わっていく過程で、それまで受け入れていた不健全な人間関係から距離を置くようになったり、自分の仕事の価値を見直したり、適切な対価を求めるようになったり、働き方そのものを変えたりする女性を実際に見てきました。
経済的な問題を抱えていた女性が、施術を重ねる中で自分自身の価値の捉え方を変え、それに伴って仕事やお金との関係まで変化していったケースを私は沢山知っています。

ここで起きていることを「チャクラが整ったから人生が好転した」と説明してしまうと、非常に重要な部分を見落とします。身体へのアプローチを通して、自分の感覚を取り戻し、自分が何を嫌だと感じ、何を望み、どのような扱いを受けたいのかを認識できるようになった結果、現実の選択が変わっていったと考える方が自然です。

身体が変化することと人生の選択が変化することは、完全に別々の出来事ではありませんし、人間は身体だけで生きているわけでも、思考だけで生きているわけでもないからです。

この点は、第二チャクラという思想を現代的に捉え直すうえでも重要です。第二チャクラを「子宮のチャクラ」「恋愛のチャクラ」といった限定的な言葉で説明するのではなく、自分自身の価値をどのように認識し、その価値を現実の世界でどのように扱っているのかが現れる領域として捉えると、お金、人間関係、性、創造性、豊かさという一見ばらばらなテーマが一つにつながってきます。

そして、この自己価値の問題が最も大きく表面化する時期の一つが、妊娠と出産です。

女性は妊娠した瞬間から、身体だけではなく、自分がこれまで持っていた「女性とはどう生きるものなのか」という価値観に直面します。仕事を続けるのか、誰に頼るのか、誰が生活を支えるのか、産後に自分のためのお金や時間を使ってよいのか、子どもを人に預けてもよいのか、母親になった自分自身の人生をどこまで大切にしてよいのか。そこで浮かび上がってくるものの多くは、自分一人で作った価値観ではありません。

母親から娘へ受け継がれるものは、遺伝子や身体的特徴だけではありません。「女性とはこうあるべき」「母親は我慢するもの」「人に頼ってはいけない」「お金は男性が管理するもの」「母親になったら自分のことは後回しにするもの」といった価値観も、言葉や日常の振る舞いを通して次の世代へ渡っていきます。その中には、「女性である自分は、どの程度大切にされてよい存在なのか」という自己価値の基準も含まれています。

産後は、この継承が最も可視化される時期でもあります。母親になった女性が自分自身を犠牲にし続ければ、子どもは「母親とは自分を後回しにする存在なのだ」というモデルを見ることになります。一方、自分自身の身体、仕事、休息、尊厳も守りながら子どもを愛する姿を見せることができれば、母性と自己犠牲は同じものではないという別の価値観を次の世代へ渡すことができます。

第二チャクラと創造性が結びつけられてきた意味も、ここにあります。創造とは子どもを産むことだけではありません。仕事を生み出すこと、人を育てること、文章を書くこと、会社をつくること、新しい関係を築くこと、これまで受け継いできた価値観を自分のところで終わらせ、新しい生き方を次の世代へ渡すことも、すべて創造です。

第二チャクラの健康を考えるということは、単に子宮や卵巣に症状がない状態を目指すことではありません。身体へのトリートメントは重要ですが、それと同時に、その女性が自分自身をどの程度価値ある存在として扱っているのかを見る必要があります。
自分の身体を粗末にしていないか、自分の仕事を安売りしていないか、自分を傷つける関係を当然のものとして受け入れていないか、必要な支援を受け取ることを自分に許しているか、そして自分自身の人生をより良いものにしてよいと本当に認識できているかということです。

「自分には価値がある」という言葉は、自己肯定のために唱える標語ではありません。その人が何を受け取り、何を拒否し、誰と関わり、どのように働き、自分の身体をどう扱い、どのような人生を選んでいるのかという現実の中に現れるものです。

第二チャクラという古い概念を現代の女性の身体から読み直す意味は、ここにあります。女性の身体に触れるということは、病変だけを見ることではありません。その身体を生きている一人の女性が、自分自身の価値をどのように認識し、その価値をどのような現実として生きているのかを見ることでもあります。

こうした女性の骨盤領域を、精神的な概念だけではなく、実際の身体から理解することも重要です。

NAJA Villageでは9月に「癒着の理解とアプローチ技術講座」を開催します。
女性の骨盤内に起こる癒着や瘢痕、術後・産後の組織変化を理解し、実際の身体へのアプローチまで学ぶ専門講座です。

第二チャクラという領域を、思想だけではなく「身体から支える」という視点に興味のある方は、ぜひ詳細をご覧ください。
https://najaspa.com/course-260701/

関連記事